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東吾妻町の「天狗の湯仮入浴場」が3月10日で閉館という情報をいただいていた。新館ができ、営業がそちらへ引き継がれるためとのこと。
よい湯なので、ぜひ行ったほうがよいという。さよならと記録保存の目的で突撃した。
地図によると、建設中の橋を渡ったところあたり。まだ工事が終わっていないよう。
でも行けそうなので進んだら、橋の途中で工事現場へ曲がって入れ、と指示された。どうやら、まさに工事中の温泉新館の敷地へ入ってしまった。
そこは、昨夜の雨でドロドロ・・こんなとこに停められる?
と、すぐに工事責任者みたいな方がやってきて、しかられてしまった。
「一般の人は立ち入り禁止だよ!!」
事業を説明すると、
「お客さん?」と、大きく回って集落に入る道を教えてくれた。
これは、存外に丁寧だった。この工事、世間の風当たりの強い八ツ場ダム関連だけに、きっと国民には優しく応対することになっているのだろう。
いずれにしろ、ずっと手前の信号から橋を渡らないといけない。要注意されたし。
この道でいいのかな?と不安になるがずっと進むと、その工事現場を過ぎて、川沿いに小さな建物が見えてきた。これのようだ
もうなくなってしまう施設なので、記録のため、たくさん撮影し、アップしておく。
玄関
玄関入ってすぐ右手に浴場入り口
脱衣所内
脱衣所入り口見返し
後々で、壁にある注意書きもいい思い出になりそう
脱衣所ですでに硫黄の匂いが強くする。期待しつつ浴場へ
常に5人ほどのおじちゃんたち。みんな地元の方で四方山話で長湯。こちら完全にアウェイ。
独りになるチャンスはまずなさそうで、少なくなったタイミングで、お願いして了解の下撮影させてもらった。
入り口見返し
かけ湯も兼ねた投入口
見上げると天井の湯気抜きへ開放。暗くて写ってないけど・・
そこからあふれた新湯が浴槽へ投入。かなり茶色に色づいてる。
今は使われていないのか、古い投入口
析出したものがびっしり。
その湯は、わずかにササ濁りから茶褐色の色。浴場のタイルへの色づきは強いが、湯そのものはそんなに濁っているわけでない。
なにより硫黄の匂いが強くて好みだが、辛口でなく、塩化物泉の性格もしっかりで実にやわらかい。析出の強さからわかるように、カルシウムやナトリウムの成分も多いからだろうか。マロやかで地球の体液的なものと感じた。
真っ黒な湯の花が湯中に泳ぐ。繊維が長く大きなものもある、が、植物由来のものかはオイラには判断つかない。
湯の花をわかりやすくタオルに乗せて撮影してみた
この黒い湯の花といい、香りといい、の六合村の応徳温泉と共通する泉質ではないかと感じた。
新館でも、この湯の花は楽しめるだろうか。
わき道にそれるが、、
この日の前の日(2月26日)から急に暖かい日だった。隣に座ったおじいさんが最近の冬はあたたかいね、という話をしている。
それが、2・26事件の当日の話題に発展した。なんと当時の生き証人だった。
当時は寒くこのあたりも雪も多かった。2・26の当日は、大雪で「東京でも一尺積もった」という。
その日は、東京に仕事に行っていた。そんな事件が起きていることは、もちろんわからなかったが。
この地からトラックに(材木を)載せて、売りに行っていたという。その支払いのことでトラブルになってよく覚えている、そうだ。
2トントラックに20本くらい載せ、すれ違うのも難しい細い道を往復した。高崎から先は舗装道路だった。(つまりそこまで未舗装。吾妻川沿いに渋川経由で行ったのだろう)片道7時間くらいだったか。
「木炭トラックだったかい?」との問いに、
「初めはガソリン車だった。なくなって、後に木炭車になった」のだそうだ。
すごい話を聴けてよかった。おじいさん、いつまでもお元気でね。
最初で最後の「天狗仮入浴場の舞」
温泉分析表
温泉法施行規則表示はみつからなかったけど、非加熱源泉かけ流しらしい。
休憩室も記録
帰りしな、受付のおばちゃんと少しお話をする。
新館のオープンにはまだかかりそうなこと、
源泉のくんでいる場所は、この仮浴場のすぐ裏であるとのこと、などなど。
外観正面
外観裏側、浴場から外をみる方向
外観横手
裏にあったこの小屋が源泉を汲んでいる設備小屋だろうか
こうして、仮浴場を後にした。仮浴場よ、さよなら、、、
新館工事状況
「仮」でない「本館」はかなり大きな日帰りセンターとなるようだ。先ほどの源泉からかなりの距離を引湯することになる。湯使いはどうなるだろう。
浴場のおじちゃんたちとの話では、オープンは4月はまだ無理、5月くらいかなと。
近くには、JRの新しい橋架の工事現場が。
オレ的オススメ度:★★★★☆
(訪問日:2010/02/27)
案内
*この施設は、2010年3月10日をもって閉館しました。
そこは確かに場所がわかりずらいですね。
お湯の感想が楽しみ。いつもすばらしい記録ですね。
さて、私も本日の午後あたり、お別れに行ってこようかな?
3/8から長期休館する古代蓮物語で行き合ったのですが、
たけの湯さんもそろそろ行かれるみたいですよ~
お話のとおり、素晴らしいお湯でした。
ご報告が遅れもうしわけない。。どうしても、ちゃんとレポ記事してから、と思っていたので。
もう今日が、最終日になってしまいましたね。
新館でもこの素晴らしい湯が楽しめることを期待したいです。
でも、このなんとも心地よいジモ専の鄙び系の味はもうなくなってしまうのだなあ、と思うとさよならするときは、後ろ髪を引かれる思いがしました。
それから1ヶ月ちょっとたち、私もようやく訪れることができました。
仮浴場への道は途中で通行止めです。もう取り壊して更地になっているらしいですけど。
本浴場は国道へ渡る新しい橋のたもとにできました。
ダム関連ということで豪華ですが、内湯と露天風呂2種と足湯、
意外と種類は多くはなかったですね。
内湯は仮浴場を思い起こす桝というより水路がありましたね。
お湯は加温消毒ありですが、掛け流しでした。
ただし仮浴場時代のピュアな硫黄臭に消毒臭が混じり、鋭い感じのにおいになってましたね。
お湯は湯花は見られませんでしたが、茶色く濁ってました。
入浴中は温まるまでに時間がかかりましたが、浴後のポカポカ感は仮浴場時代を彷彿させました。
前橋荻窪温泉あたりと比べれば、掛け流しだし、まずまずでしょうかね。
最新情報ありがとうございます。やはり、GWでのオープンになったのですね。
そうですか、湯使い、まずまずのようで、ほっとしました。でも消毒は・・
湯花がないとなると、ろ過はしてるんでしょうかね。
吾妻方面、もしかしたら、今月中に行く機会あるかもです。
前橋荻窪温泉比べると、はるかに私の好みでーす。