長野県の豊科町でこれを記念して開催した「田淵行男生誕百年記念式典」に出かけた。
田淵ファンとして、ぜひ、出かけようと思っていたものだ。
パンフレットには、水越武氏撮影のいろいろなことを語ってくれるような田淵の肖像。気持ちを高めてくれる。
午後1時開式。公民館ホールの客席は、7,8割の来客で埋められている。報道関係者らしきも目立つ。
開式でのご来賓の長いあいさつ等の流れは、実に伝統を踏襲した「式典」で、いささか苦痛。
ただし、ご長男の穂高さんのあいさつだけは別。初めてのナマ穂高氏だ。やや小柄な優しいお話ぶり。「表彰は辞退していた、恥ずかしく思うのか、環境省や長野県の表彰には母や、私(穂高氏)が代理で受け取りにいった」などの、田淵を理解できるエピソードが聞けてよかった。田淵の横顔は、残された本人を知る人たちを介して理解されるのだろうと思われた。
第1部の目玉は、なんといっても第2回田淵行男賞写真公募の受賞者発表だ。
選考委員長の平木収氏による審査経過の選考経過当の発表後、表彰。
方々ですでに報道されていることだろうが、改めて紹介すると・・・
田淵行男賞は、鴨作知弥氏「約束」
準田淵行男賞は、八木 清氏「シラ」
「アサヒカメラ」賞が、残間奈津子氏「夏のモチーフ・秋のモチーフ」
「日本カメラ」賞が、蛭川憲男氏「クロシジミとクロオオアリの共生」おおっと、ここに蛭川氏が現れるとは、意外。
「日本フォトコンテスト」賞が、関根学氏「ミサゴ-その生態-」
「岳人」賞が、岡田 満氏「一本だたらの森」
以上。
参加者には、作品等を掲載した冊子も配布されたのだが、ここで転写掲載するのは、問題があるのかもしれないので、別で見ていただきたい。
大賞の鴨作氏は、若い人だ。私よりも・・・(^^:)。すごく短く髪を刈って、スーツ姿、怖そうにも見えるが、受賞のご挨拶では、謙虚でナイーブな人柄なのかな。「欲望のうずにまかれ」「罪を犯しながら生きている」の言葉が印象に残る。
組作品のうち掲載されていた6点は、1頭のメス鹿の「死」をテーマに、ありきたりではない視点から切り取ったものだった。あー、私にはこんな視点は考えられない、自然に向かうこころの違いだろう。
これらの受賞作品は、7月12日ー11月13日田淵行男記念館で、9月20日ー9月26日新宿ニコンサロンBis21で展示される予定なので、ご覧いただきたい。