登山道の管理日記
「パルナッソス山へ」管理人たにつちの日常。温泉は泉質主義でひなびほど良し。蕎麦屋めぐり、日本の美・チョウ・花・山の撮影など。ニッチでディープを心に留めたい。Discover Deep Japan!
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2013ダンダラロード・その3 美濃ギフ訪問
2013年 05月 25日 | |
もう5月も下旬、、気づけば今シーズン、ヒメギフにはかろうじて1回会ったが、ギフに一度も会っていないではないか。
なんてことだ!

もう、ギフシーズンも普通なら終わりに差し掛かっての時期だが、以前から確認したいと思っていた地を訪ねることにした。

関東側はどんよりの天気、長野自動車道のトンネルをぬけて、佐久側に出ると青空が広がった。
佐久平PAあたりでは、この時期としては山の展望があり、薄めながらら北アの穂高あたりから白馬あたりまで全部見えていた。しかし、本日は、先を急ぐ。

途中、筑北PAで休憩
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山も近くなり、くっきりとしてきた。ここからまだ目的地は遠いのだ。



さて、向かったのは、昔から有名産地である、蛭ヶ野高原だ。合併して郡上市となったが、旧高鷲村、岐阜県内では「美濃地区」に該当する。

某ページによると、ここは、5月下旬からが発生時期だという特異な産地で、環境からしても標高が原因とは思われず、遺伝的に「発生が遅い」と考えられるグループであるという。
かつ、日本海側の明るいギフチョウの特徴をもつという。
つまるところ、ユニークな個体群らしいので、岐阜県のギフチョウをまとめるに際し、ぜひ確認しておきたかった。

しかし、例によって、いきあたりばったりのトライ。山すそに近づけるいくつかの道を攻める。
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しかし、午前のゴールデンタイムを過ぎても、まったく気配がない。また食草もみつけることができない。
山道をブルーネットもったシブい顔した兄さんが降りてきた。話かけはしなかったが、ゴールデンタイムに下りてくるということはいなかったということなのだろう。(後でわかるが、天然記念物指定されて、採集はできない。)
確かに周辺の緑はもう濃くなり、ギフのシーズンはとうに過ぎているような状況に見えた。
ほんとにこの時期でよかったのだろうか。

天気予報もやや悪い方に裏切られ、どんより、肌寒い時間帯にもなる。
この地の土地勘を得ようと、少しずつ場所を変えて、回ってみる。山へ向かう道は、どこも別荘地と放牧地のために、ある程度から先は侵入禁止となってばかりだった。かつてはおおらかだったのかもしれないが、今は外部者の立ち入りを拒まれている。

やはり、まったく姿を見れないまま、ほぼ本日は投了と思いつつ、町のほうへ戻ってとき、道端の散り際のヤエザクラに、チョウがまとわっているのが目に入った。ほんとにいた!
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なんということもないような雑木林で数頭が集まっているのだった。今までの探索が、何かウソみたいだった。

林床に、止まってのチャンスもある。ほんとだ、まだ新しくて綺麗だ!
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飛翔撮影は、ほとんどボツだろう。
そこにまたより明るい個体も現れた。メスだ!
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メスということもあろうが、ほんとに日本海側産のような明るい印象。

このメスさん、次には、下草を次々と探す産卵に向けた飛翔行動をとった。
気づくと、自分の周りには、あんなに見つけられなかったヒメカンアオイが生育していたのだった。
食草のありかは、結局、ギフさんに教えてもらうことが多い。
まさかと思ったが、目の前の新葉のひとつにとりつき、産卵を初めてくれた。なんたる幸運、美濃ビギナーへの特別なお計らいに違いない。
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10分くらいの時間だろうか、13の卵を産んでいった。
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異例な発生時期というこの地のギフと、食草との関係はぜひとも確認したかった事項なので、とてもありがたかった。
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この地の木々の緑は早くに芽吹きだしているが、ヒメカンアオイの芽吹きはそれよりゆっくりで、この時期が産卵に適している。成虫の発生と食草の芽吹きのタイミングは確かにリンクしていたことを確認できた。

この後午後に入ると、、気温が上がって、また姿がほとんど見られなくなってしまった。
遠くから、コナシ?の花に吸蜜する個体を撮れたくらい。
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幸運にして、初めてこの地のギフに会うことができたが、ここは発生場所となる食草のある場所からそう遠くには行かず、やや局所的に存在しているという印象を受けた。
食草そのものがどこにでも生えているわけでもなく、点在しているからかもしれない。
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なおこの地は、「ひるがの高原のギフチョウ棲息地」として、郡上市天然記念物に指定、保護されている。
この地での保護活動のことはよく知らなかった。
上記の局所的な雰囲気からして、日本海側の産地での見られ方に比べ、はるかに将来が危うい印象を受ける。いつまでもこの地で繁栄していってほしい。
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by parnassus | 2013-05-25 23:50 | チョウに会える道 | Trackback | Comments(6) |
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Commented by ダンダラ at 2013-05-30 11:40 x
すごいですね。
私も時間が出来たら、各地のギフをその環境と共に撮影したいと思っていたので、貴殿がそのようなまとめ方を始めているのかと驚きました。
興味深い土地ですね。
これからいろいろ教えて下さい。
Commented by 愛野緑 at 2013-05-30 18:02 x
ポイント発見おめでとうございます。時期もぴったしで良かったですね!
産卵している♀のアカアガリも綺麗です。
Commented by げん@にわかですが at 2013-05-31 08:11 x
ダンダラさん、ありがとうございます。
ここは、普通の感じと比べると、下手すると1ヶ月近く遅く現れるといえそうです。
ただ、すっかり伸びたカンアオイに産卵するの?ということが疑問でしたが、そうではなくて、カンアオイも遅いからそれに合わせての「進化・順応」らしいということを確認できました。
植物の側からの考察も必要性を感じました。
Commented by げん@美濃の現地妻 at 2013-05-31 08:14 x
愛野緑さん、ありがとうございます。
ほんとに、いきあたりでは厳しくて、なんとか会えてほんとよかったです(^^
そうですね、メスさん、なかなかのアカアガリの別嬪さんですね。
時期は、まだ初期だったのかもしれません。もっと広くで見られてよさそうなのですが・・
Commented by kmkurobe at 2013-06-04 09:46
私は東海の出身なので学生時代何度も訪れましたが、高速道路ができて随分変わってしまったようですね。
その昔は国道沿いの湿地周りにも産卵されていました。
そりにしてもこの「赤上がり」の雌、確かに日本海側を感じさせる華麗な個体ですね。
Commented by げん@この週末は天気が・・ at 2013-06-07 23:29 x
kmkurobe さん、お返事たいへん遅くなりました。
貴殿は東海のご出身でしたか。やはり昔からここは、遅い出現で知られていたのでしょうか。
ほう、国道沿いにも。でも、今もきっと、たとえば後述の分水嶺公園の湿地でも姿を現すと思います。山の方での、食草の具合などがまだ私にはわかりません。
太平洋の黒いギフもまた好きなのですが、ここでは日本海側の顔を撮る事ができてよかったです。
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