なお、各方面別の可視エリアについては、田代博氏作成の「スカイツリー完成時(634m)可視マップ」に詳しいです。
当方でも可視マップ詳細を作成してみました。
ただ、このレベルの小さな可視エリアは、現地に行くと目標方向にある建物や山の端の木立程度でも隠れてしまって、現実には見えないということが容易に起こります。
またも田代氏のページ「東端からのシュミュレーション」でこの銚子方面からの見え方が解説されていますが、かなり「微TST」のようです。当然でしょうね。
先ほどの刑部岬からのTST観察例は、かなりの件数がWeb上で見られるのに比べて、愛宕山・地球の丸く見える丘展望館からの実例は、知る限り皆無。
果たして見えるのでしょうか?それを確かめるのが今回のロードの最重要ミッションでした(笑
幸運にも別な階段があって、山頂部分には行くことができるようでした。
ここは、一等三角点の山、「高神村」です。
すぐ隣には、巨大なオブジェが設置してありますが、、なんだろ。
これは、日本とフィリピンの「日比友愛の碑」で、昭和33年に6月に建てられたとのこと。戦後10年ちょっと、かなり古い時期。
そして、マニラ富士と呼ばれる「マヨン山」の方角を示しているそうです。
さて、肝心のTST。
三角点付近は木々が遮って展望が得られません。幸いにも、日比友愛の碑の先の場所が展望台のようになっていました。
西の方向、先ほどの刑部岬から断崖絶壁が続く海の向こうに・・
刑部岬からの台地がまさにTSTを隠している構図になるのですね。
現地で何とかわかるんじゃないかという甘い考えでしたが、やはりダメでした。
遠望条件も急速に悪化しているということもありますが、双眼鏡の目視では発見できません。
このとき、おそらくは前方の風車や山の木々が隠しているのではないか、と推測。
もっと高くからの展望館屋上からの展望に望みをかけ、ここからはざっと一通り撮影したのみでした。
しかし、実は、屋上からも結局自信をもって判別できず、これに違いない!と思って何枚も撮影していたのは別なものだったことが後にわかるのでした。
またしても帰宅後、ラボ作業での確認作業となりました。
今回、その方向にある建造物をプロットしてのレベルの同定作業。
ほぼ実際の撮影の並びに対応するシュミュレーション画ができました。
ほぼ対応するだろう画像がこうです。
この撮影では、ごくうっすらとですが、TSTに対応する位置に影がありました。
そして、その方向を超望遠レンズで撮影したのは、残念ながらほぼこの1枚だけ・・
TSTは、地上位置からもちゃんと見えていたのです。
正直、ちょっと不安もありますが、とりあえず現時点としては、「愛宕山・地球の丸く見える丘からTSTを初確認!」と発表したいと思います。
9時すぎ、展望館に入館しました。
3階展望台です。
水平線が丸く見えるはずはないですが、ここは新年のご祝儀ということで、地球を丸く感じられる、ということにしておきましょう。
前述のとおり、ここから念を入れて「あれか」と思うタワー状のものを撮影するのですが、方角的に誤っていました。別物でした。
今回、方向に関して、建造物レベルでの事前シュミュレーションが必要ということもあると痛感しましたが、いざどんな建物が目印になるのかというのは現場に一度足を運ばないとやはり難しいかも。
(撮影場所の特定に、カメラに附属させるGPS機器も必要性を感じましたね)
今回、方向をはっきり確認できましたので、次回はより高い展望館からもっと明瞭なTSTを撮影したいと思います。
皆さんも、機会があれば、TST東端からの遠望に挑戦されてください。目印は、白い風車とタンクの間、レンガ色の屋根の特別支援学校の左上くらいです。
楽々遠望スポット度:★★★★★
(撮影日:2013/12/23)