滑川町にある「篠崎ヴァイオリン工房」、代表の篠崎渡さんです。
首都圏にある埼玉県といえど、北部エリアでは楽器店といっても販売やってるだけですので、専門職人さんのお店ができただけでも福音であります。
先日、チェロの調整などをお願いし、その引取りの際に、工房の撮影取材もお願いしたところ、快諾いただきました。
あ、チェロ、、弾けないんですが持ってるんです。ちょっと前に、ネットでいきおいでポチっとしてしまった安モノなんですが。
それが、まあひどいセッティングで送られまして・・詳細はこの記事では略。
工房外観です。
一階部が、工房・事務所スペースと、楽器材料倉庫的になってます。
さすが、工房の壁には各種の道具が揃っています。
すごいのが工房隣の楽器材料倉庫の部屋。
材木等も扱っているというのは、事前に彼のページで知っていたのですが、予想以上の取扱量の多さでした。
見よ、このヴァイオリン表・裏板材料
また、あるのはヴァイオリン属用の材ばかりではありません。
これは、ギター用の薄いメープル板。
厚い板もあるでよ。
なんとかギター用(教えてもらったけど忘れました)立体的なやつです。
篠崎さんは、好みの板を選び、それのオーダーで作るというのもありですよ、と。
弓のペルナンブーコ材もあり
これはなんじゃ?
この板材は、篠崎ヴァイオリン工房のオリジナル商品、、
イタリアでは普通に売っているべニヤ板ですが、これが日本ではがないんですよ~、と強調。
何が違うのかというと・・
この薄い板の積層が、粘りがあって歪みにくく、内枠加工に適しているそうです。
内枠作成するのに加工しやすい形にプレカットしてある商品というわけです。
また一角には、大きなベルトソーの機械とか・・
大型ベルトサンダー機械とかも
こんな設備もあるとは、大規模工房レベルでないのかね、驚きました。
材質が楽器向きかどうかの見分け方についても質問しました。
コンコンと叩いて、タップトーンにも音の響きの違いなどあることを示してもらいました。
いずれの材料も、一度篠崎さんの選別が加わったものですので、オイラが直接材木屋さんで仕入れるとは違い、失敗のリスクが少ないのはありがたいですね。
材料もほしいです!(笑
訪問したときに作業中だったのは、分数サイズの小さなヴァイオリン製作
サイズは小さいですが(1/2だっけ?)、その木材は、4/4の手工ヴァイオリンと同様の美しいトラ杢の材料であることが一目瞭然。
分数楽器に、このクオリティーのもの見たことない!
その理由を聞くと、レンタルや分数楽器の需要が意外にあるそう。また、お知り合いにとても上手なお子さんがいて、よい楽器で演奏してもらいたいという計画があるとか。
工房にあった彼の4/4のヴァイオリンも弾かせてもらいました。
少し茶色の深い色合いのもの。モデルが、、えと、誰だっけな(忘れた)で幅が少しスリムだそう。
ガンガン響く感じではないのですが、音がすぐ引き出しやすく、下から上まで全ての弦が均等に鳴り、とても弾きやすい印象を持ちました。ほしいです(笑
あ、私が今回オーダーしたチェロの調整に関して。
内容は、魂柱が斜めに立っている状態でしたので、しかるべきところに立て直す、またA線だけが突飛にギャンギャン鳴り、C線はこもったような響きなので、各弦の鳴りをできるだけそろえたい要望でした。あと、チェロ弓の毛替え。
チェロの魂柱立てるのは、かなり面倒な作業と想像するところです。
初めにうかがった際のこと、まず、魂柱はいとも軽く倒してしまいました。取り出すのも大変なのに、って思っていると、楽器内から拾いあげる道具があって簡単に取り出し、魂柱立てにて、大体の位置へセット、目の前であっという間でした。さすがです。
そして、板との接地具合を確認したり、コンコン場所を動かして、絃を張って弾いて調子をみて、、と。
一連の相当の手間に違いないんですが、これサービスの範疇、でお金は求められませんでした、とてもありがたいことです。
接地具合が今ひとつで、削る必要もあるようで、もし短くなってしまう場合は魂柱の新調の可能性もありで、+4000円だとか、と。
結果、既存の魂柱で対応できたそうで、たったの2000円あまり、弓の毛替えが5千円ほどで、あわせて7000円ほどでやっていただきました。申し訳ないようです。
そういうわけで、信頼を得て段々と仕事のオーダーも増えつつお忙しくなっているようです。
楽しくて、ずいぶん長居をしてしまい、お邪魔しました。
これからもお付き合いのほどをよろしくお願いしたいとことろです。
(取材日:2015/01/25)
案内:篠崎ヴァイオリン工房
埼玉県比企郡滑川町月の輪3-16-11
0493-62-1755
公式ページ