山形県指定有形文化財「旧遠藤家住宅」と多層民家民宿

c0043361_2311878.jpgあ、前の「七ツ滝」から唐突に山形ロードの拾遺記事になってます。。(^^;;

「六十里越街道」を田麦俣の里に向けて降りていくと、大きな民家が現れた。

見た瞬間にはっとするタダモノではない、茅葺の巨大なもの。

屋根の中央部に、屋根裏からのぞく出窓のようなものがある。

こりゃまた、すごい。



角度を変えて眺める。
c0043361_23114476.jpg
二棟が並んである。
地図では「旧遠藤家住宅」との表示がみえた・・

時間もなく、近寄っての見学などにトライしなかったが、手前の建物は、現にお住まいになっている生活感があった。
奥の人のすんでいない建物が、その「旧遠藤家住宅」なのであった。
c0043361_23182353.jpg
鶴岡市のパンフレット解説によると、この建物は、江戸時代後期の文化文政年間に創建されたものと推定されている。
当初は寄棟造だったが、養蚕が盛んになり、兜造りに改造されたものだとか。
その兜造りになった明治10年代の姿に、昭和52年の工事で復元された。

c0043361_23134628.jpg
土台の石垣も新しく積み直されているよう。

これは、「多層民家」と呼ばれる構造様式とのこと。
1階が主に家族の居住用、2階は下男たちの居住用と作業場・物置で、3階が養蚕と作業のための「厨子」、さらにその上に「厨子天井」という物置。
土地が狭く、積雪が多いこの地方で、くらしと作業・養蚕の部屋がひとつの建物にまとめられて、多層になったと推定されているそうだ。

この妻が「兜造り」の特徴の部分。
c0043361_23124772.jpg

また、屋根の平側には出窓がある。
c0043361_1928535.jpg
これは、採光と煙り出しの窓だそうだが、初めてみた。

しかしまあ、このうねるような屋根の曲面のインパクトはなんだろうか。

日本建築には、反り・むくりなど曲面が使われることは古くからあったわけだけれど、数学的な計算で導かれるような幾何学的曲面だと思う。
この民家の茅葺がつくる曲面は、全く異なる種類の曲面だと感じた。

いわば、生物的に由来するような有機的な造形。
あ、ヴァイオリンの表面の曲面と、いろんな方向の曲面が連続しているのに似ているかも。
同じ多層型の巨大な茅葺民家でも、白川郷の合掌造りの屋根とは全然違う。

手前の建物の棟には、草書体で文字が描かれていた。読めないけど・・
c0043361_231598.jpg

このまだ現役の住宅である方は、「多層民家 かやぶき屋」という民宿を営まれているのだった。
現在、一泊二食で7500円とのこと。
イイネ、貴重な経験ができそうだ。

再び解説によると、この集落は、湯殿山信仰が盛んになるにつれ、宿場的性格を帯びてきた。
独特の建築様式のかやぶきの民家が沢山建てられるようになった、という。
今や目立つのはこの2軒だけのようだけれど、このふたつは特に典型的で豪壮なものだったろう。

兜造りの民家は、奥多摩地区にもあったはず。
何か関係はあるのか、気に留めとおこう。

(取材日・情報現在:2015/05/24)

■指定年月日:昭和49年4月1日

開館時間:9:00-17:00
休館:毎週月曜日・年末年始
料金:高校生以上300円

多層民家 かやぶき屋(やまがた発見ナビ)
http://gt-yamagata.netj.jp/ygt/detail.php?recid=407


[PR]
トラックバックURL : http://parnassus.exblog.jp/tb/24148845
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by Sippo5655 at 2015-09-07 21:13
すごいなあ。。
長い試行錯誤を経て、このような造りになったのでしょうか。
私全くわからない世界ですが、
かやぶき屋根に出窓って、初めて見ました!
民宿も、、このお値段で。
さぞ貴重な体験ができることでしょうね!
Commented by parnassus at 2015-09-16 09:46
Sippoさん、お返事たいへん遅くなり・・
>私全くわからない世界ですが、
私もです!!(笑
>かやぶき屋根に出窓って、初めて見ました!
そうなんです!
兜造りというと、妻の部分に関してのようですが、屋根のセンターに出窓って、びっくりです。
色々あるもんです。
名前
URL
削除用パスワード
by parnassus | 2015-09-05 23:54 | 文化財 | Trackback | Comments(2)

「パルナッソス山へ」管理人たにつちの日常。温泉は泉質主義でひなびほど良し。蕎麦屋めぐり、日本の美・チョウ・花・山の撮影など。ニッチでディープを心に留めたい。Discover Deep Japan!


by parnassus
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31