2016西風ロード・その3(鈴鹿のキリシマなど【前編】)

c0043361_23265442.jpg思えば、最初からケチのついたロードだった。

朝、出発の車に荷物を積み込むとき、雨でぬれたタイルの上でスリップして、コンクリプロックに左のすねを打ち付けてしまう。
フィールド用の厚手作業ズボンの上からだったけれど、擦過傷からは血がにじみ、打ち身でだんだん腫れてきて、今回のロード中、模様眺めすることになった。

出かけて30分ほどのとき、ストレージ代わりのノートPCを積み込むのを忘れていたのに気づいた。これくらいならと、取りに戻って1時間のロス。。

そんなスタートだった。


初日、まずここ!という現地に着いたのは、午後1時も回って。
曇りがちで肌寒いほどだし。

それにしても、何という深山渓谷。ほとんど断崖という深い谷の環境。



一体この辺りでどこがいいんだ?今日はもう時間も遅い、、明日以降の下見に回る。
谷を降りて沢の向かいに渡ることを試みるも、深く刻まれた谷、やべえレベルで断念する。

木陰をはねる茶色いチョウ。
ヒメウラナミジャノメかと思った。しかし、違った、西風のメスだった!
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種類はなぞだった。が、すごく尾が長い・・後々考えるに、これはもしかして?
ほんの短い時間のランデブー、翅を開いてくれるはずもなかったが、飛ぶときも青い色は見えなかったが。

(2016/07/30追記)
*後に登場するYさんがそのご友人とで同定してくださったところ、オオミドリシジミのメスだということでした。
ちょっと残念。

とりあえず明日はこの辺を探索しようという当たりを自分なりにつけて、初日終了。

二日目、道の駅で迎える早朝の空からは日がさし、絶好の日より・・と思いきや、山に近づくにつれ、雲がかかっていく。やはり、今日も天気が微妙だ。現地に先客はなし。

とりあえず、沢沿いの林道を登っていくことにした。その先に聖地があることを夢見て。
枝をたたいて、飛び出すチョウにはっとする。が、トラフシジミかあ。
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林道が谷と交差するところで、道が途切れた。
けっこう急な斜面を下り、今度はちょっとしたがけをよじ登って谷を越える。これは帰りはイヤだな。

しばし進むと、突然、猛禽類(?)が目前を飛び立った。何か鳴きながら羽を立てて不自然な行動を見せる。
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かと思いきや、爬虫類のように首をクイクイと前後に動かし、何か気味悪い鳥だ。
ヨタカか?と直感したが、どうもそれが正解らしかった。

足元に、卵が2個並んでいた。これが巣らしい。
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オイラを巣から遠ざけようと、つかず離れず誘っていたんだ。ごめんね。

2か所めの谷を越えると、アカガシと思しき木々がポツポツ見られるようになった。
自慢じゃあないが、オイラ、アラカシとアカガシようやく見分けられるかのレベルだがな。
しかし、本命を見ることはできない。今考えると、天気も悪すぎることもあったのかもしれない。

3つ目の砂防ダム付きの大きな谷が現れ、さすがにこの先は断念することにした。
これを越えたとて会える保障もない。
これは十分、命がけになるレベル・・どこまで突き詰めるのかの世界だが、かつて若かりし頃、クモマツマキを求めて道なき渓谷をつめた記憶とダブる。そこまでやるもんじゃないと。
しばし待つも、天気が好転する気配がなく、むしろ、霧雨が混じるようになり、ここはあきらめることにした。

下山中、たたいた枝からようやく大きめのチョウがひらめき、ついに西風かと色めく。
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が、、望遠撮影するとクロシジミだった。
ここらに存在するらしい話だったので、昨日もススキを探したりしたのだが、まるで西風のように木の高いところにいるのか?草原のチョウという東日本でのイメージと環境が違っていたらしい。
何にしろ、初めての関西のクロシジミだ、これはうれしい。
ただ距離が遠いのが残念。敏感でそう長く止まってくれない。
そして、高い場所を、ずっと飛翔続けるなど、生態も東日本とはどうも異なっている。

下山で、初めの谷越えの場所に差し掛かったとき、、
不注意からカメラの入ったザックを斜面を転がしてしまった。
勢いのついたザックは止まらない、数メートル転がり続けて数メートル谷まで行ってしまった。

カメラは・・何とか大丈夫だろうと、淡い期待で確認すると、、
ガーン!RX10M2の電源が入らない!!
そして、D7100は、電源は入って作動はするようだが、おかしい!
ファインダー内の機構が壊れてしまったらしい。見える像はボケボケ、ダイヤルで視度修正もできず、フォーカスの確認ができなくなってしまった。
こうして、一瞬にして2台のカメラをポシャってしまったのだ。まだろくにチョウに会えてもいないのに・・

もー、がっかり、なんとも痛恨、このロードの行動や、さらに今シーズンの計画が全く狂ってしまった。

修理も効くのかわからないが、かなりの出費も予想される。
せっかく、使い込み始めたRX10M2だが、5~6万以上かかる修理となれば考えてしまう。
ま、メーカーにあたってみないとわからない話だが。

悲痛にトボトボ下山中、ヘビに会う。そういえば、昨日も会った。多い場所らしい。
そして、向こうから、チョウの関係者らしき方が・・ごあいさつ。
京都から来ているそう、お連れのもう一人は、下の林道にいるそうで、西風にかなり詳しい方らしい。

林道まで下ってもその方とは会えなかった。もう別な場所へと運転を始めた途中で、そのYさんとすれ違った。
ご挨拶していると、すぐにそこにクロシジミが現れて、オイラの車にとまった。。
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不思議なもので、こういう人の周りには、チョウが自然に集まってくるのだとしか思えない。

Yさんによると、観察・撮影ならさっきも飛んでるのを見たよと、谷を見下ろす橋をご案内いただいた。
すると、確かに!
そう多くはないけど、あんなに苦労してみられなかったキリシマが、活動しているではないか。
これだよね~ダイナミックで素晴らしい飛翔。

使える撮影機材は、D5200しかない。
今一つ使い勝手が悪いが、はるばるここまで来て、できる撮影行為に最大限トライするしかないだろう。
谷下の樹幹とは、20mか・・いや、もっと離れているだろう。
レンズは、SIGMA 50-500mmを持ってきていた。役に立つ。
というか、これだけ距離があると、これじゃないとほぼ無理。
RX10M2の望遠200mmじゃ、歯が立たなかったろう。

飛翔中を何度もねらう。ただし、ファインダに収まっていたものがわずか、というレベル。
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そして、数回、止まって翅を広げてくれるチャンスがあった。
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くう~!かなりアンダーに補正してるはずなのに、露出オーバーになる。なんちゅう輝きの強さだ!

Yさんたちは、キリシマのメスの標本を置いて、それにオスが寄ってこないかという実験も始める。
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しかし、もう活動時間もしまいのころで、それはたぶん観察できなかった。

キリシマの活動時間もお開きに近くなったようなので、別な場所でクロシジミの生息環境があるらしく、そこを見ておきたかったので、ここでYさんたちとわかれ、向かった。
存外遠くて、着いたときはもう遅すぎた。そして、日も差さず、これでは見るのは無理なのは明らかだったが、たぶんいるんだろうなという疎林環境を確認して、2日目のフィールドを終えた。

Yさんがた、初めてお会いしたにも関わらず、お世話になりました。(つづく)

(2016/07/30追記)
帰宅後、所属するチョウの関係団体のMLで、Iさんが関西のフィールドでお亡くなりになったとの報を受けた。
Iさんとは、近年はほとんど連絡とっていなかったが、10年以上(もっとか)前、フィールドで2回だけだったがお会いした際には、たいへんお世話になった。(このブログより前の日記に登場したことがあるはずだ。)
まだまだお若くて、精力的にチョウの生態調査に取り組まれている矢先、突然のこと。
オイラがクシデントに見舞われていたのと同日で、偶然だろうが、当日はチョウ関係者にとって受難のおかしな日だったのかなと思ったりした。
Iさんのご冥福をお祈いするばかり。
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Commented by Sippo5655 at 2016-07-29 22:10
ワクワクどきどきで拝見させて頂きましたっ!!
Commented by げん@とりあえず修理には出した at 2016-07-30 09:02 x
Sippoさん、自分でもヒドすぎる!って駄文におつきあい、ありがとうございました。
当たり前ですが、カメラあっての撮影行ですね、、貴方もお気をつけあそばせ。。
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by parnassus | 2016-07-28 00:29 | チョウに会える道 | Trackback | Comments(2)

「パルナッソス山へ」管理人たにつちの日常。温泉は泉質主義でひなびほど良し。蕎麦屋めぐり、日本の美・チョウ・花・山の撮影など。ニッチでディープを心に留めたい。Discover Deep Japan!


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