稲村米治作「昆虫千手観音像」に参拝-群馬県板倉町

閲覧注意!

群馬県板倉町の中央公民館にある「昆虫千手観音像」にお参りしてきました。(初詣ではないんですけど、12月中のことなので)

ネットのその筋では以前から評価が高いところでしたが、また最近、新聞で取り上げたり、テレビ取材なんかもされ、訪問者も急増しているそうです。
今さらという感じもしますが、初めてでかつすごいインパクトでしたのでオイラ的にレポートを。
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↑ちょっとだけ、一部分の画を載せました。
「昆虫千手観音像」というとおり、昆虫(甲虫)を寄せ集めてびっしり並べ仏像を造ったものです。

ただ、なんつうかな・・、あらかじめ、今このページをご覧になってるあなたに申し上げたい。

マジにファンタスティック、素晴らしい作品だったんです。
出会った瞬間、圧倒され、感動して、呆然と立ち尽くしました。
そして、気付いたときには、オイラその撮影に没入していました。

〇昆虫が苦手な方・・その生理的な感覚は認めますが、この作品を「キモイ」とか「グロい」とかそういう浅い否定的な感想で片づけることは認めません。
〇トライポフォビアという恐怖症の方、あなたの病気がほんとなら、確かに観ない方がいいでしょう。
〇また、始めから「負の評価」をしようと意図している方も、見てほしくないです。

そうした方は、この先、閲覧することを認めません。




この観音像が奉納されている板倉町中央公民館です。
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あるのが主要幹線沿いではなく、何度も通り過ぎてしまいました。

その展示室みたいなとこにあるそうですが・・階段を上がると、普通にロビーです。
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でも、このロビーの片隅に絵画や彫刻作品などとともにガラスケースの「厨子」は安置されていました。
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「こ、これがっ!!(対面に感激)」
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作者は、稲村米治さん(97)。
公民館の方が色々と教えていただきましたが、まだご健在でいらっしゃるそうです。
町に寄贈されたのが、1978年と40年近く前の話なので、てっきりね・・もう百歳近いお年。

小柄な人なら、等身大といってよい大きさの観音像・・
兎にも角にも、オイラの下手な説明はかえって邪魔だと思います。
正しくお伝えできるか自信も技術もありませんが、まずは拙画をご覧ください。


どーーん!
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眼や要所の装飾にはタマムシ!

組み合わせ印を結ぶ掌は、クワガタムシ!
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「千手」を表現するのも、クワガタムシの大あご
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わーーー!
「千手」じゃなくて「万手」はありそう!


正面の次に目を奪われたのは「光背」の表現でした。
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そして、「基壇」もすごい!
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そして、基壇を飾る「花々」や「錫杖」の表現
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これらの表現を眼でなぞっていくと、再び本体や千手に視線は誘われました。
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「宝珠」の中央を飾る象牙色のものは・・
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何かの「蛹」・・
カミキリムシのようです!

中央の最も重要な部分、あえてこの部分だけに、未熟な存在?まだ世に出たことのない存在?である「蛹」を配置されているということは・・。
やはり深い意図があってのことでしょうね。

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かなり古い新聞記事、1997年のもの・・20年前ですね。
作者の考えや制作秘話を知ることができます。
大きめの読めるサイズで載せておきますので、クリックしてご覧ください。

オイラ、昆虫をつかった工芸品って、そもそも好きじゃないです。
ことに、チョウの翅をたくさん並べて、その色で模様を作っている絵画額なんか、ほんとキライです。

でも、この観音像は、そういうものと全くの別物。
作者の祈りや尽くせぬ愛情が入魂されていることが、もうねビンビンくるわけですよ。

そしてほんとにアートとしてもすごいです。
クール・ジャパン・グレイト!
訪日外国人インバウンド的にもたいそうな資産に思えました。
これ再現作成しようとしても、ほぼ不可能といってよいでしょう。

なお、撮影にはかなり苦心しました。
観音像が入っている厨子には天井がついていて、かなり暗いのです。
その一方、ロビーの天井には水銀灯かと思える明るい照明がつき、周りのものや窓からの光やらが、ガラスへの映り込みが激しいのです。
どうりでネットに載っていた画像がノイズの多い画質の悪いものがほとんどの理由がわかりました。
カメラにもお詳しいとお見受けする公民館の方は、PLフィルターがあるといいかもとアドバイス。
でも、フィルターだけでは映り込み、とても消えませんでした。着ていたジャケットを三脚に広げて、遮光カーテンみたいになことをして撮りました。
また、ここにアップする前に画質調整をしてます。それでも、実際の色と質感を伝える画が撮れたのではと密かに自負しています。

2万頭以上の甲虫を6年以上の歳月をかけて作成・・
長い制作期間にも思えますが、これだけのもの、、よく6年で造れたなとも思います。
制作の日々がそのまま修行というものの過程だったのではと拝察します。

稲村さん、ご健在のうちにお会いできんもんかなあ、と思ってしまいますね。

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■オレ的オキニ度:★★★★★

(取材・情報現在:2016/12/17)

案内:
群馬県邑楽郡板倉町大字板倉2698
0276-82-2435
休館:毎週月曜日・祝日・年末年始(12月28日から1月3日)
開館:午前8時30分から午後5時15分(火曜日から日曜日)


★朝日新聞デジタルの記事にて、現在の稲村さんを拝見することができました!
いつまでもお元気で!!




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Commented by Akakokko at 2017-01-11 22:55 x
ご無沙汰してます。^^)
虫の足をアップにしたのかと思ったら、つぶつぶの一つ一つが昆虫なんですね。
確かに見応えありそうですね。
これって常設ですか?
Commented by parnassus at 2017-01-11 23:08
Akakokkoさん、お久しぶりです。今年もよろしくお願いいたします。
見応えなんてもんじゃないです。私は、圧倒されました。
常設です。そして無料です。
公民館の普通のロビーにさりげなく置かれています。ぜひご覧になってください。
Commented by banyan10 at 2017-01-12 12:25
確かにすごいですね。
玉虫厨子を少し想像しますが、規模は遥かに越えていますね。
こういうのは実物を見ないと分からない部分が多いと思うので、機会があれば訪問したいと思います。
今年もよろしくお願いします。
Commented by parnassus at 2017-01-13 00:09
Banyanさん、どうもありがとうございます。
そうですね、頑張って写真撮りましたけど、実物に見える迫力に優るものはないですね。
チョウのポイントではあまり思いいたりませんが、この季節、近くの沼にハクチョウが飛来していたと思います。
館林ICからすぐですね。ぜひ、ご覧になってください~
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by parnassus | 2017-01-12 00:02 | 文化財 | Trackback | Comments(4)

「パルナッソス山へ」管理人たにつちの日常。温泉は泉質主義でひなびほど良し。蕎麦屋めぐり、日本の美・チョウ・花・山の撮影など。ニッチでディープを心に留めたい。Discover Deep Japan!


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