辺戸岬観光のあと、周辺の探索を少々するも、それほどの出物には会えそうになかった。よって、やんばるの渓谷を探索、うまくいけば、沢沿いでリュウキュウウラボシシジミに会いたい。これは、「動物注意」標識のひとつであろうか?
猿、鹿、ここやんばるではヤンバルクイナのもの、など様々な動物が描かれているが、ハブのものは初めて見た。ハブが道路によく現れるから、車で轢かないように、との注意か。
しかし、会えたのは、せいぜいリュウキュウヒメジャノメぐらいであった。これはひどいと思う。
チョウ影自体がここでもやはり薄い。
アゲハ類でさえ、ほとんど現れない。
一度、ツマベニチョウが素晴らしい飛翔で、渡っていくのを2度見たが、たぶん同一個体だろう。
数年前の八重山でも、ツマベニチョウはワンチャンスだった。この時期は、極端に薄い?
時間的に多くの沢を見ることはできなかったが、結局リュウキュウウラボシは会うことができなかった。
ある谷の小屋で、数人の男たちが来ていた。地元の人たちのようだが、こんな場所で、およそ人に会うことは珍しい。
少し、離れた場所にいて、直接見ていないが、谷にへんな奇声が響いた。
そのときは、その男たちが、ふざけて叫びあっているのかと思った。(怪しい集団だ)
しかし、違った。。
そちらへ近づくと、遠目に白いものが釣られているのが見えた。
それはヤギ
琉球には、めでたいときに食べる「ヤギ汁」という郷土料理がある。
それは、肉屋で調達する場合もあるだろうが、本来の形は、飼っている家畜のヤギを、しめて料理にするのだ。
奇しくも、その現場に遭遇してしまったわけだ。
あの、ふざけたように聞こえた叫び声は、ヤギの断末魔だった。
そのことがわかると、かなりショッキングなシーンであった。
けれども、食肉たるもの、全てがこのような過程を経て、食卓に上がっているという当たり前のことが、あまりに現在の日本では隠匿されている。
沖縄では、それを自らの手で行い、祝いの席で食するという文化がまだ残っている。
命を奪う、ということをしっかり理解した上でハレの場でいただく、という伝統文化が息づいていることに、ぐっと沖縄人を骨太に感じさせた。
さて、今日の宿は、U市にとってしまったので、島の中南部まで戻らねばならない。
いくつかの場所を見ながら、南下した。
大宜味村の旧役場
沖縄県で最古のコンクリート建造物であるそうだ。
大宜味村に、「塩屋富士」という「ご当地富士」があることを地図でわかったので、どんなものか確認した。
富士山かねえ・・?その先の「六田原展望台」からは塩屋湾のかなり感動的な展望があった。
本記事の最後になるが、夕方、、チョウ撮影のチャンスが少しあった。
クロセセリの裏面、、シブイね
そして、ルリタテハ琉球亜種が低い場所でなわばりを張っていた。
本記事も最後はルリタテハの画となった。
(つづく)