その中ではもっとも「それ」らしくない野比温泉にたどり着けたのはさすが嗅覚であったといえましょうか(笑)
三浦半島にはオイラ好みの鄙びの秘湯はないのでしょうか?
昭文社の県別マップルを愛用しているのですが、半島の中央部に文字でのみ「阿部倉温泉」との記載があるのを見つける。この手の表示の場合、源泉地点かなのかもしれませんが、現地には建物もなんもなかったりすることが多いです。なにかあるのか、改めてガイドマップも探してみましたがいずれでも紹介ありません。
古い源泉の跡地なのかもなあと、わざわざ確認に出向くモチベーションもなくなっていました、が・・。
横須賀葉山道路を通過中、その案内看板が出ているではありませんか!
かなり狭い道を登っていきます。途中の分岐では、道路状況のわりとよい埼玉県民には「え!ここを進めっていうの!」というすれちがいもできない狭い道が連続する、かなり勇気をもって進んで行かねばならない道中です。
高速「横浜横須賀道路」を越える橋を渡ると、斜面には畑が市民農園のようになっていて、たくさんの人が作業に訪れていました。(多くの通行車の目的はここ?)
これを過ぎると、阿部倉温泉もうすぐ、と。
そして、最後、またえらい急な坂を左右に登りきると、ぽつんと旅館が姿を現しました。
旅館に入ると、姉女将がていねいに応対していただきました。館内は洋風が勝っているきれいなつくり。展望ができるように広い窓で、空気の澄んだ時期は眺めがさぞよいことでしょう。
入浴料1000円を払い、階段を上がって、湯屋へ向かいます。
入るとすぐこじんまりした脱衣場
浴場全景
木漏れ日がきれいだ!(笑
と思ったので、窓を開けると、濃い緑に覆われてました。
「下半身を清め」て、いざ入浴(笑
その湯は、実に、無色透明。塩素消毒もしているようでしたが、ほとんど気にはならなかったです。
単純硫黄泉ということですが、そう硫黄の香りもないなあ。
浴槽のはしに、温泉の蛇口、、ここから源泉が楽しめると思われます。
若干、ぬるつきがあるようです。やや土類的な匂いも感じられたかな、やはり源泉パワーが違います。
カルシウム分も含んでいるのでしょう、岩への析出も見られました。
上がってから女将さんにも「温まるでしょう?」と聞かれ、汗が止まらず「すごいですね」と。
こりゃ~びっくりの阿部倉の舞!
温泉分析書
湯上り、再びロビーにてくつろいでいると、冷茶のサービスがありました。
掲げてあるのは、おお、団イクマ氏の色紙・・
源泉の場所はドコですかと聞くと、下の向かい側の沢から引いているのだと。
そもそも、現在の位置へは、横浜横須賀道路の開通のために移転したそう。
現在の旅館を建てるときのイメージパース
この長い登り坂が上がってきたときの道です。そこからが敷地内なわけで、すごい広い。
解説や、かつての旧館の写真なども掲示してあったので、撮影させてもらいました。
私が熱心に資料を観察しているので、一緒におられた大女将が、この温泉の解説したパンフレットがある、とわざわざ坂下のお宅?へ取りにいって、これをくださいました。
以前に作られたもので、現在は通常は配布されていないものでしょう(旅館のパンフレットは別にあり)
大きめのサイズで掲載しておきますので、クリックしてお読みになってください。
ちょっと心配した営業のことですが、三浦半島最高峰の大楠山の北東からの登山道の途中なので、その下山客などを中心に、それなりにお客さんはあるようでした。
パンフにある「三浦半島の秘湯」にまごうことなき秘湯ですね。
三浦半島最高峰、大楠山の中腹に湧き出る恵み、泉質派にも一度は試してもらうことをお勧めできる温泉です。
大女将や姉女将の厚情に応えるためにも、なかなかここに記事を書けないでいたことが気がかりでした。
遅くなってしまい、また内容は拙いですが、ようやく掲載できました。
オレ的オキニ度:★★★☆
(取材日:2012/06/30)
案内
〒238-0033
横須賀市阿部倉32-2
046-851-0455
営業:10:00-16:00(日帰り入浴)
休館:毎水曜日
料金:1000円
公式ページ
http://www.abekura.jp/