(公式ページでの解説はこちら)
多くのユーザーが新しいバージョンの機能を利用していることと思うが、あえて、オイラが使用した感想などの拙い記事を書くことで、まだ利用したことのない方にその素晴らしさ(すごさ)をお伝えできたらと思う。
まず、本稿では、「標高データをミリメートル単位まで扱えるようにした」に関して記する。
上の図例をご覧いただきたい。
5mメッシュ標高数値地図を、標高のみ表示させたもの。(色:地図画像合成用(春)、地図表現:レリーフ1)
たまたま見かけた区域を例示したにすぎないが、地形の起伏表現のみで、棚田(段々畑?)や、山に通る林道などの陰影が明瞭に浮かび上がっていることが感じとれるだろう。
どれほど詳細になったか、次の例で比較する。
従来のバージョンはメートル単位での「立体」表現であった。それが、今回、最詳細ではミリ単位までの認識され、相応の表現がなされることとなった。
具体的にみる。
現在のところ、全国エリアをカバーする標高データで詳細なものが「10mメッシュ標高」だが、これによる表示はこうだった。(色:春山の色分け(レリーフ用)、地図表現:レリーフ2)
小生は、これよりさらに大雑把な50mメッシュを常用としていた。この10mメッシュレベルは詳細に確認する特別なレベルとして利用してきた。
で、この同じ場所を5mメッシュデータにより従来の方式で表示するとこうだ。
周辺には、蛇行河川のような起伏がわかる。また、小さな河川や線路などの「土手」のような起伏も見えてきた。
正直、オイラは、これだけでも進化に喜んだ。
では、今回のバージョンアップで可能となったメートル以下の情報を表示する「拡張」機能での表現はこうなる。
上で田畑の圃場の境界もわかるようになってすごいと思っていたが、畦畔や圃場一枚一枚の区割りまで表示され手にとるようではないか。素晴らしい。
また、今回加わった、色彩パレットの選択肢「5mメッシュ微地形強調」で表示するとこう。
色彩で明らかな表示方法だが、小生のように立体地図を感覚的に味わい楽しむような鑑賞法(ディスプレイに対しては、視覚なのか?触覚なのか?)にはかえって邪魔で、単色又は淡色でのレリーフ表現の方が合っていると思うが、この辺りは好みが分かれるだろう。
いずれにしろ、とんでもなく精細な立体地図がディスプレイ上で手に入ったこと、この点は大きい。
今まで、まったく何もなかったようなエリアが、新鮮な地形が見えることにより、低地エリアや市街地エリアが、飽かず「鑑賞」できるエリアとなった。
別な場所を例示
新潟県六日町の市街地。
高速のIC、鉄道や、道路を通すために盛ったり削ったりの造営、細かな河川、米産地南魚沼の田んぼもうるさいぐらいの情報が詰め込まれていることがわかるだろう。
なお、公式ページの説明の
「使う標高データがどこまで記録されているかによります。多くの場合はメートル単位のデータですので、その場合はメートル以上の細かい地形は表現できません。」
という説明のとおり、標高データがそこまでのデータを持っているかどうかに左右される。
地理院で無償で配布されている5mメッシュデータを利用しているのだが、今回の詳細なデータ再現性により、エリアによって、もっているデータがいく段階か分かれていることがわかった。
「レリーフ2」などで表示するとそのデータの境界線が浮かんでくる。
現在の段階では、主要な河川沿いのエリアが一番に手厚く、次いで市街地など「人に近い」エリアに関して、詳細なデータを持たせている。逆に、山岳地帯など人里離れた「僻地」はもっともラフなデータしかないという関係になっている。
それでも、山岳エリアに関しては、5mメッシュデータが「あればよい」方で、山域によってはまったくデータが欠落しているという区域も多い。前に掲出した「六日町市街」の画像にも、青く抜けている部分があるのが、それだ。
このことについては次の記事で触れたい。