先日の「ただおみ温泉」しかり・・ま、ただおみ温泉は栃木県ですが、埼玉や群馬に関しては日帰り施設の名前くらいは頭にあるつもりなんで、ちょっと驚くわけです。
この日、沼田周辺で検索したところ「かねまんやすらぎセンター」なるものがリストにあがってきました。
知らねー!
指し示す川沿いの場所を目一杯拡大しても、それらしい建物や表示は記載されてない・・
あるのは釣堀のようですが、その休憩所的なもの?ほんとにあるのかな?
もう閉鎖になってしばらく経った施設を表示することもありますから、そのパターンもありえる。
でもね、ここはひとつ、確認に行ってみましょう!
と、そこにはやはり釣堀がありました。が、別に看板あり。
しかもかなりのエエ味を出してます!
振り返ると、新しい看板もありました・・
温泉はどこにあるんでしょ?
よくわからないまま進むと、まずは釣堀の建物、これ?でも、違うよう、、わきの狭い道を抜け、、
猫が何匹も歩きまわっています・・釣堀で飼ってるのでしょうか、放し飼いです。
きょろきょろしていると、おばさんが出てきて、手招きしてくれました。
このちょっとペンション風の個人宅が、それでした。釣堀とは別で、その隣の建物です。
玄関もまたなんともエエ味
こんなとこがあったんだ!ほとんど知られてないでしょう、、ブロガーとしてのジャーナリスト魂がうずきました。
こういう施設こそ気合い入れてアップするのが、当ブログの編集方針です!
玄関に入ると、普通のお宅の廊下というかダイニングの板の間
左には大きな座敷が2間続く「大広間」で、お客さんなのかここの人なのかわかんないですが、にぎやかに食事をしている。
おばさんに、「温泉ですか?」と聞くと、「温泉」だと。
「料金は?」「600円」とのこと。(こんなにぶっきらぼうなわけではありません)
男女別の浴場
あけるとすぐに脱衣所、2畳くらいの小さいスペース
浴室全景
浴槽は、1畳もない大きさ、二人が入れば一杯でしょう。個人宅のお風呂を拝借って感じ。
施設というには、小さいですが、カランはふたつ設置してあり、それなりに頑張ってます。
事前におばさんから、源泉は、ちょっと色づいてトロッとしているなどの指南がありましたが、これか。
飲める!ということなので、いただきます!!
わずかに、土類風味が乗るかな、、という感じでしたが、一瞬、榛名・赤城硫酸塩泉系のミネラル臭をぐっと感じた瞬間がありました。(たしかに)
この蛇口からの源泉は冷たかったので、湧出温度のまま提供してる秩父硫黄泉の施設パターンかと思ってましたら、しばらく流してたら温かい湯が出てきましたので、こちらも加熱してるもよう。
浴槽から、入口方向見返し
広くはないです。今日は寒くて湯気がすごいので、撮影のときは、ドアを開けてます(^^;;
分析書では、メタケイ酸規定値以上により温泉該当とのこと、単純温泉なわけで、浴感はうすいですが、それでも源泉パワーは感じられ、後述しますが、皮膚によいとのことはほんとで、やわらかく、うるおうよう。
湯使いが残念な施設なんかより、はるかにマシだと、独占状態で、ヌル目でまったりと楽しみました。
湯を上ると、食堂(?)では、テーブルではおばさんと誰か女性が食事をしてる・・御座敷では、変わらず、宴会的に盛り上がっていました。
おばさんは、オイラに、座敷で休んで行かないの?いうモードで休憩が当然なようにうながします。こちら、分析書など撮影すれば、あがるつもりでしたが、あっという間にテーブルでお茶と漬物を出していただき、おばさんともう一人の女性とで座って休憩させていただくことに。
メニューも実にたくさん
厨房を切り盛りしてるのは、おばさんともうひとりお姉さんで、もしや娘さん?なのでしょうか。
大広間のグループはにぎやか、やはりお客だったよう、お酒やつまみを追加オーダーしてました。
板の間に不思議な物入れがあるので尋ねると、これがロッカーだそうで。
お茶と漬物をいただきながら、おばさんと、気さくな会話が始まり、、そこで、この施設の縁起を教えてもらいました。
元々、おばさんと今はなくなられた旦那さんがこの「家」を立てたのが、昭和の終わりくらい。
そこにちょっと離れた場所から、生活用水として「井戸水」を引いて、それを家庭の風呂にも使っていたと。
それが、皮膚の疾患にとても効果があって、近所の人や一般からも入らせてほしいという要望が徐々に出てきて、それに応えて、風呂を男女別に増設するなどして、今の形になったそう。
また、この水は、お茶に入れると黒く変色する(おばさんは、紫色と言ってた。)とのことで、諏訪の毒沢鉱泉と同じような成分が含まれているのでしょう。
また、この源泉は、自噴泉なのだそうです。
ただ、温度が低いので、加熱のための燃料代がかなりかかるので儲からないとか。
そんな話をしていると、女性が、ちょっと店を閉めてくるとかなんとか、食事をやめて、「これ手つけてないから、よかったら、」とマスの塩焼きをくださいました。
この近所でやってるお店の女将さんだったようです。
なんなの、このご近所連帯感!
で、飛び込みのオイラのようなよそ者も受け入れる懐の広さと敷居の低さ!!
これは、民宿なの?民宿なんだ!と思いました。
ちょっとお願いすれば、手軽に、本物の手料理が食べられて、宿主との気の置けない会話も存分に。
こんなサービスのある温泉施設は、初めて。
現代にあって、こんな居場所があったの!?ほんとユニーク。「やすらぎセンター」の名に偽りなしです。
マスの塩焼きは、持って帰って食べたい旨を申し出ると、また丁寧に包んでいただき、さらには、お土産にとギンナンも持たせてくれました。
あの風呂の設備で600円は安くはないな~と感じてましたが、ここまでのサービス込みだとしたら、ぜんぜん高くなかった。
そういうオモテナシもらったから提灯記事を書くわけではないですけど、泉質自体も、単純温泉ながら肌にしっとりとする湯上りの、湯使いのよくない大規模センターをはるかしのぐ良さを感じました。
おばさんと話している間にも、ジモっぽい若い兄ちゃんが一人お客でやって来ました。
こんなで、けっこう利用者もじわじわといる・・かんじです。
お願いして、おばさんも撮らせていただきました。
温泉分析書(平成17年のもの。暗い場所のため、ご容赦)
温泉法施行規則表示かな
いつまでも「かねまん」よ、くつろぎの場所であれ!の舞
あ、かねまんの名の由来を聞くのを忘れてました!
PS.マスの塩焼き、帰ってレンジで温め直し、おいしくいただきました。
オレ的オキニ度:★★★(あくまで源泉についての評価)
(取材日・情報現在:2015/02/07)
案内
378-0061 沼田市岡谷町1677−1
0278-24-5956
営業:12:00-21:00
定休:毎月1日、15日
料金:600円
なんと「利根沼田総合案内システム」のページ内の「日帰り休憩施設」で、こちらについても掲載あり。(でも、釣堀もあり、とかって、ちょっと違うと思う・・)
猫が多いの頷けます^^;
かつて釣りをやっていたもので・・・
素敵な、「隠れ家」温泉との出会いとなりましたね!
ごく自然に・・・温泉が良いと、口コミでも広がって
ご近所から始まって、お客様が増えたのでしょう。
おかみさん いつまでもお元気で、頑張ってもらいたいですね♪
ほう、釣堀に猫!つきものなんですね。
そうなんです、「隠れ家温泉」いい表現です。
Sippoさんは、都会人でしょ。この空気感は、都会にはありえないと思えました。
貴重な存在です。個人宅で、定休日のぞき毎日態勢を整えるのもたいへんだと思います。
いつまでも心づくしのもてなしをしてほしいです。
私は20年以上前から名前だけは知っていたのですが、一昨年の12月に1度だけ温泉博士に載ったので入ったことがあります。
夕方でしたが終始独占、お湯は少し茶色っぽく強烈に火照って凄い汗が出ましたね。
あの湯はただモノではないですね。
私は温泉博士だったので入浴後すぐ退散しましたけど、げんさんはあの座敷でいろいろとお話も聞けたのですね。
確かに田舎の民家のような、温かい雰囲気がありますね。
なんと!ここ温泉博士に登場したことあるんですか!
そうですかそんなに火照る湯だったとは。
私の場合、真冬の時期だったので、汗が出るまでのことはなかったですが、上り心地はようございました。
湯上りにすぐ帰ってしまったとは、残念でしたね。
おかみは、きっとONKENさんと色々話すことを楽しんだだろうと思いますもの。
なお、オイラがずっとお話してたのは、座敷でなく、食堂?のメインテーブルです(^^