(2024/01/20開始・2024/09/19更新)(2024/09/19)
本日、X(旧Twitter)を開くと、この「人宿町」の灯器が更新撤去されたことが多数ポストされていた。
1月に会った包丁灯器の代表として記事にしたここももう無くなってしまったのは、心に大きな穴が開いたかのよう。
古灯器の最後の「聖地」と思っていた静岡市も、それは淡い幻想にすぎなかった。2024年の半ばから容赦ない撤去が始まっている。
(また、群馬県でも、2024年の更新状況は苛烈だ)
静岡県内の4か所の角型灯器にはまだ変化はないが、包丁灯器の方が先に消え、八千代町、常磐公園の2か所のみと数が少なくなった。
いや角型灯器に関しても予断を許さない。機会を見て、出向かねばならないと思っているが。
それにしても、宮城のUFO型信号機といい、ことごとく古灯器の最後のチャンスにぎりぎり滑り込んだ感を強くしている。
というか、オレが撮影に行くと、遠くなく撤去されるというジンクスを生んでいるのではと内心で重くなるほどだ。
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(2024/01/20)
静岡県ことに静岡市中心市街は、2024現在、信号趣味者にとっての最後の聖地であると思われる。
愛好者に「包丁」と呼ばれる設置方法の灯器が、少なくとも3か所4基現存を確認できた。
様々な種類の灯器が見られる群馬県においても「包丁設置」の灯器はおそらく残っておらず、今回のロードで初めて会えた。
全国でいくつあるのか知らないが、間違いなく、絶滅危惧の貴重な存在。
国道362号の「人宿町交差点」、国道と交差する道(人宿町通り)側に南北1つづつ、計2基の包丁があった。
2基そろっていることは素晴らしい!そして国道に残っているというのも貴重である。
光線の理由で、正面を写したのが北側、背面を写したのが南側。
背面の灯器は1974(S49)年製、正面の方は1975(S50)と1年異なる。
背面からの姿、これぞ「包丁」!アームが灯器の側面から直接一本刺しになっているのだ。
「包丁未遂」灯器では、下の円弧アームから電気コードが出ているが、包丁では上の突き刺したアーム内にコードがあるのだろう。
コードが外に露出しておらず、すっきりとしたデザインを目指した設計なのかと思わせる。
下のアームが曲線の「円弧アーム」であるが、これも今では見られないデザインでポイント高い。
「
交通信号機博物館」さんの「信号機灯器の歴史」にまとめられた「
小糸工業製灯器の移り変り」によると、'73(S48)~'74(S49)製造された本灯器は、小糸丸型灯器の「第2世代」に分類されるということだ。
確かに、背面灯器の背面には、電源取り出し口がある。また、側面にアームの取付用ネジ穴もあるのだろう。
銘板車両用交通信号灯器型式 KCM-3S ?製造番号 M 553 ?製造年月 昭和49年11月製造小糸工業株式会社
判読しづらい。上記で違っていたら、ご指南ください。レンズは、もちろんガラス製の濃色レンズで、切子を思わせる鮮やかな格子レンズ。黄色のカバーのネジがとれて、針金をねじってとめている。小糸の濃色レンズは、色味が水色に寄っていると言われる。個人的に癒される色味。
「人宿町」交差点 全景(今後も、追記、修正する場合があります。)