(2024/11/08開始)
2020年10月の訪問撮影。
紅葉の名所のひとつ坤六峠まで登ると、氷点下になった。
現在、群馬県道63号 水上片品線であるが、その前身であろう「林道 尾瀬奥利根線」の竣工記念碑が建っていた。
記念
尾瀬奥利根線林道竣工
林野庁長官 中山正英
林道の開通記念碑ゆえに、林野庁長官の揮毫か。
裏面には、多分にもれず、当時のこの道の開通についての熱い思いや、関係者の名前が刻まれている。
実際通りの体裁に整わないけれども、また横書きだが、がんばってほぼ全文を書き起こしておこう。
水上町片品村両町村民の永年にわたる念願が 前橋営林局 県当局
県議会の深い御理解により叶えられ延長二十一粁の峰越林道がここに
完成した 本道路の使命とする奥地産業の開発はもとより 日光 尾
瀬 谷川を結ぶ一大観光ルートの開発も約束された 沿線の自然林は
またと得がたい宝庫でありこれが開発された場合産業に観光にそして
広く社会教育の場に果す役割は非常に大きい 水上片品両議会に相計
り 「尾瀬奥利根線」 と命名する
こゝに両町村民のよろこびをこめ道路建設に御盡力下された関係
局関係者各位の御芳名を刻みこれを建てる
昭和四十三年七月二十四日
湯の小屋戸倉線林道建設期成同盟会会長水上町長 小野里茂作
同 副会長片品村長 大竹竜蔵
群馬県知事 神田 坤六 安藤文一郎 利根総合開 高橋 幸雄
群馬県議会議長 浅見 一郎 経営部長 林 正人 発協会長 議員
議会議員(略5名) 松岡 努 木村信作 (略約30名)
林務部長 長尾 正男 石井 佐吉 尾瀬林業観光㈱社長 谷鹿光治
林産課長 平 浩 事業部長 滝沢 政雄 片品村長 星野 晴
小林圭造 石原 直重 〃 大竹 竜蔵
沼田林業事務所長 小倉司馬雄 計画課長 小林 四郎 〃助役 星 松五郎
林野庁長官 片山 正英 橋本 善治 〃収入役 小林 実
前橋営林局長 平野 孝二 山田 茂夫 水上町長 小野里茂作
森 博 土木課長 小暮 保 〃助役 須田 房芳
小宮山秀則 〃 須藤 勘弥
水上営林署長 岩崎 英三 〃収入役 木村泰吉
堀江 克巳 片品村議会議長 星野成一
管理者 阿久津安治 〃 副議長 星野 亮
この坤六峠の名前は、「道路知事」とまでよばれた神田坤六が尽力し、その名から採られたということだけれども、
この碑自体の建立者は、「湯の小屋戸倉線林道建設期成同盟会」の会長 水上町長と副会長 片品村長 という形になっている。
関係者各位の筆頭に 群馬県知事 神田坤六がいるわけだが。
当初は、「林道 湯の小屋戸倉線」という名称で整備を進めていたようだ。
碑文の「本道路の使命とする奥地産業の開発はもとより 日光 尾瀬 谷川を結ぶ一大観光ルートの開発も約束された」という箇所が一番熱いなw
戸倉~鳩待峠の尾瀬への登山口、大穴~照葉峡~湯の小屋温泉にかけた、観光ルートは確かに確立されたろう。
「みなかみ町」のカントリーサインは、合併後の新しいものが。
片品村のカントリーサインは見つからなかった気がする。